2006年09月11日

本谷有希子『生きてるだけで、愛。』。

本谷有希子の出世作となるであろう1冊にして芥川賞候補作。

よかったです。

単純によかった。

面白かったというのとはちょっと違う、「よかった」。

表題作「生きてるだけで、愛。」は

「他人から理解してもらえないことによる寂しさ」がテーマ。

その打開策としての「葛飾北斎」です(表紙参照)。

主人公が過眠症のメンヘルで25歳無職という点が

共感できない人には共感できないかもしれませんが

ラストシーンの主人公の激白は強烈ですよ。


書き下ろしの「あの明け方の」もいい。

ミニシアター系のショートムービーの様です。

冬の明け方の、あのしんとした透明感のある空気の中に

ちょっとした恋愛の一こまがものすごくフィットしています。

ほっとする作品。


それ以外にも、本谷の感性の鋭さが随所に散りばめられていて

それらの点も面白いです。

ちょっとずれた視点が、アイロニカルなおかしみを醸し出します。

是非、ご一読を。

posted by 広域 at 20:00| Comment(2) | TrackBack(1) | 読むこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先日は、ありがとうございました。
こちらにもトラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
Posted by 藍色 at 2010年12月03日 15:46
ご無沙汰しております。
多忙にかまけて、すっかりこちらを放置しておりました。
のちほど、TB返させていただきます。
Posted by 広域 at 2010年12月28日 01:38
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生きてるだけで、愛 本谷有希子
Excerpt: あんたと別れてもいいけど、あたしはさ、あたしと別れられないんだよね、一生。 母譲りの躁鬱をもてあます寧子と寡黙な津奈木。 ほとばしる言葉で描かれた恋愛小説の新しいカタチ。 ねえ、あたしってなん..
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